20. 7月 2016 · (285) ヴィオラの出番!!《ロマンティッシェ》第2楽章第2主題 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags: , ,

ブルックナーの交響曲第4番《ロマンティッシェ》第2楽章。1小節のゲネラルパウゼの後、息の長い第2主題が始まります。32小節も続く第2主題の全てを奏でるのは、ヴィオラ1。重要な主題をヴィオラがこれほど長く任されるのは、とても珍しいことです。

良いメロディーをもらうのは、いつもファースト・ヴァイオリンかチェロ。稀にヴィオラが与えられても、チェロなど他の楽器と重ねられます。オーケストラや弦楽四重奏でヴィオラを弾いていたベートーヴェンやシューベルトの音楽でも、ヴィオラは脇役。ブルックナーが《ロマンティッシェ》でこの長い旋律全てをヴィオラだけに与えたのは、単に慣例を重視しなかったからかもしれません。

ヴィオラ奏者が泣いて喜ぶ(?!)主旋律なのに、努力目標が「G線」。最初のソの音は、G線の解放弦の1オクターヴ上。メロディーの最高音は、このソの上のミ♭。再現部では長2度上のラから始まるので(面白い調設定ですね)、最高音はファ。音程は取りにくいし、音は痩せてしまうし、もう必死。

それなのに田部井剛先生ったら、「そんな貧窮問答歌みたいな音で弾かないで」。あまりにも素晴らしい比喩で、みんな大爆笑でした。本番で思い出しちゃったらどうしましょう!?!   笑いをこらえるのは、ハイ・ポジション以上の試練かも(ちなみにこのハイ・ポジ努力目標、練習していると結構はまります)。

ところで私、貧窮問答歌がどんな歌か、とっさに全く思い浮かびませんでした。なぜか「銀も金も玉も」が浮かんで、これじゃないよなと思ったくらい。調べてみたら「銀も金も」と貧窮問答歌、いずれも山上憶良(ちょっとホッとしました)。貧窮問答歌はすごく長く、教科書には意訳が載っていただけだったと思います。万葉集の時代はまだ仮名文字が成立しておらず、「風雑 雨布流欲乃 雨雑 雪布流欲波」と始まることを(ヴィオラとは関係ないけれど)書き添えておきます。

  1. 私はこの楽章を、ロンド形式よりもむしろソナタ形式と考えます。

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