11. 5月 2016 · (279) ブルックナー音楽史クイズ はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags: , ,

次回第15回の聖フィル定期演奏会では、アントン・ブルックナーの交響曲第4番を取り上げます。皆さんはブルックナーの音楽、お好きですか? マニアックなファンが多い一方で、よく知らない、あるいはわからないという人もかなりいますよね。確かに、同じロマン派のブラームスやチャイコフスキー、ショパンやヴェルディに比べると、少し(かなり?!)地味な存在かもしれません。

私自身はブルックナー、実は結構好きです。西洋音楽史でブルックナーを講義するときは、つい張り切ってしまいます。多くの音大生にとって、その講義がブルックナー・デビュー(ピアノ科の学生なら、最初で最後のブルックナー体験になる可能性も)。独特の響きや構成に興味を持ってもらいたいと思いながら、交響曲を中心に説明します。

音楽史ではまず、歴史におけるその作曲家の立ち位置を理解することが重要です。というわけで、ブルックナーがお好きな方も嫌いな方も(どうでもいい方も)、まずは基本を押さえておきましょう。突然ですがここで質問です。ブルックナーとブラームスは、どちらが先に生まれたでしょうか?

ブルックナー・ファンでも、とっさに答えられないのでは? 保守的な作りや響きを思い出して、ブラームスと答えたくなりませんか? でも、正解は1824年に生まれたブルックナー。19世紀が1/3終わった1833年に生まれたブラームスの方が、9歳も年下です。ちょっと意外ですよね。次、亡くなったのはどちらが先? これもブルックナーですが、こちらは1年違い。ブルックナーは1896年、ブラームスは1897年に、ウィーンで没しました。独身で生涯を終えたのも、共通しています。

もうひとつ押さえておきたいのが、ブルックナーとマーラーの年関係です。ブルックナーの方がもちろん年上ですが、マーラーと何歳くらい違うでしょうか? 2人とも交響曲作曲家として重要。しかも、どちらも編成が大きく演奏時間が長い交響曲を書いていますから、つい一括りにしたくなりますが……。

マーラーは1860年生まれ。ブルックナーとマーラーは36歳、一世代以上も年が違うのです。シューベルト(1797年生まれ)とブラームス(1833年生まれ)が同じく36歳差。ベートーヴェン(1770年生まれ)とメンデルスゾーン(1809年生まれ)が39歳差。それぞれの音楽は、互いにかなり異なりますよね。現代に近づくほど時代の動きが早くなってきているとは言え、36年は決して小さな差ではありません。

「19世紀後半の最も革新的な人物の一人」と評されるブルックナーは、ベートーヴェンの第九交響曲が初演された1824年生まれ1。スメタナと同い年で、ブラームスよりも9歳、マーラーよりも36歳年上。新しい響きと規模の大きさに惑わされがちですが、ロマン派の中では結構早く生まれた作曲家なのです。

  1. Hawkshaw, Paul, ‘Bruckner,’ New Grove Dictionary of Music, 2nd ed., vol. 4. Macmillan, 2001, p.  458.

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