06. 1月 2016 · (266) ジルベスターが大晦日を意味するわけ はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags: , ,

明けましておめでとうございます。今回の年末年始は、曜日の関係でちょっと慌ただしい感じでしたね。2016年がみなさまにとってよい年でありますように。6年目に入った聖フィル♥コラム、今年もよろしくお願いいたします。

新年最初のコラムなのに、年末のお話です。最近「ジルベスター・コンサート」という言葉を聞くようになりました。大晦日に行われる音楽会のことで、途中で新年を迎える年越しコンサートの場合も。「ジルベスターはドイツ語で大晦日のこと」と説明されます。もちろん正しいのですが、本当はもう少し説明が必要。12月31日は聖ジルベスターの日。だから、ジルベスターが大晦日を意味するようになったのです。

聖ジルヴェスター1世(Silvester I、ラテン語読みでシルウェステル1世)は、4世紀のローマ教皇(在位314〜335年)。コンスタンティヌス1世(272〜337)に洗礼を施したという伝説があります。このコンスタンティヌス1世は、313年のミラノ勅令でキリスト教を公認したローマ帝国皇帝でしたね(図1参照1)。

図1:教皇シルウェステル1世とコンスタンティヌス1世のモザイク画(1247年、ローマのサンティ・クアットロ・コロナーティ聖堂内サン・シルヴェストロ礼拝堂)

図1:教皇シルウェステル1世とコンスタンティヌス1世

亡くなった12月31日が、聖ジルヴェスター1世の記念日。キリスト教の聖人は、それぞれ特定の日と結びつけられています。たとえば、6月24日は洗礼者ヨハネの日でしたね((242) 真夏じゃなかった!? 《真夏の夜の夢》参照)。イエス・キリストに洗礼を施し、後にヘロデ王に捉えられて(サロメの望みによって)斬首される、あのヨハネを記念する日です。《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第2幕冒頭の歌詞「Johannistag」はヨハネ祭と訳されますが、直訳するとヨハネの日。同様に、12月31日は聖ジルヴェスターの日。だから、大晦日をジルヴェスターの日と言い換えられるのです。

ただ、聖人にはいくつかのランクがあり、記念日もそれに対応します。洗礼者ヨハネとは異なり、聖ジルヴェスターは重要度が低い聖人で、彼の日は記念しても記念しなくても良いという任意の記念日。たまたまそれが大晦日だったおかげで、最近急に、ヨーロッパから遠く離れた日本でまで名前が知られるようになって、聖ジルヴェスターご本人が1番驚いているかもしれません。

  1. ローマのサンティ・クアットロ・コロナーティ聖堂内サン・シルヴェストロ礼拝堂、1247年。

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