18. 11月 2015 · (260) オーケストラの楽器配置(ロンドン、1840) はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags: ,

ずいぶん前になりますが、19世紀のオーケストラ配置をご紹介しました。メンデルスゾーンによるライプツィヒのゲヴァントハウス管弦楽団の配置((96) ライプツィヒ、1835)と、アブネックが創立したパリ音楽院演奏協会の配置((174) パリ、1828)。前者は「革命的」と称されながら、ヴィオラが大きく(!!)差別されていましたね。今回はロンドン。フィルハーモニー協会オーケストラの楽器配置です(図11)。1840年ですから上のライプツィヒの時代に近いのに、むしろパリの配置に似ています。

図1:ロンドン、フィルハーモニー協会オーケストラの楽器配置、1840年

図1:ロンドン、フィルハーモニー協会オーケストラの楽器配置、1840年

最前列はもちろん、歌の人たち(ソリストだけではなく合唱も含まれます。(89) どこで弾いていたのか参照)。次に指揮者。その左側にファースト、右側にセカンド・ヴァイオリン。指揮者の奥にはピアノが置かれ、その後ろにチェロとコントラバスのトップ。コントラバスは、両ヴァイオリンの後ろにも書かれていますが、チェロはこのトップだけ。今回はチェロが差別されている??

おそらく、コントラバスと一緒のあたりで弾いたのでしょう(あるいは、ファーストが5プルト、セカンドが4プルトなのにコントラバスが6プルト書かれていますから、チェロと「込み」かもしれません)。ヴィオラもないと思ったら、テノール=ヴィオラだそうです。左右の低弦楽器をつなぐように、1列に並んでいます(ヴィオラのトップは前に出ないのですね……)。

ヴィオラの後ろに木管楽器4種。音域が高い順番に左から、やはり1列(パリの配置と異なりますね)。金管は2手に分かれ、ホルンとトロンボーンが左、トランペットは右。中央にティンパニ。シンバルなどの打楽器はトランペットの後ろ。

奥のひな壇は、前の奏者たちの頭の位置くらいと、かなり高かったようです。図2は、図1と同じハノーヴァー・スクエア・ルームスでの、同じオーケストラによる(と考えられる)1843年の演奏会のイラスト2。金管楽器奏者たち(特に右側)は、それくらいの高さですね。左側にホルン、右側にトランペットやオフィクレイド((243) オフィクレイドってどんな音?参照)が見えます。でも、図1から3年しか経っていないのに、楽器配置が違うみたい……(続く)。

図2:ロンドンのオーケストラ、1843年

図2:ロンドンのオーケストラ、1843年

  1. Koury, Daniel J., Orchestral Performance Practices in the Nineteenth Century. Univ. of Rochester Press, 1988, p. 212 (source: Carse, Adam, The Orchestra from Beethoven to Berlioz. New York, Broude Bro., 1949, p. 478).
  2. Ibid., p. 213 (source: op. cit. p. 221).

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