01. 4月 2015 · (231) 1年中で1番特別な1週間 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags: , ,

聖光学院がある横浜も私が住む東京の郊外も、桜が満開です。まだ咲いていない地域や、桜が無い地域で読んでくださっている方には申し訳ないのですが、まさに春爛漫。だから、今週は1年中で1番特別?! いえいえ、キリスト教徒にとってのお話。次の日曜日4月5日は、十字架にかけられて亡くなったイエスの蘇りを祝うイースター(復活祭。東方教会では4月12日)。その前の1週間だからです。

イースター前の40日間は、レント。日本語では、カトリックとルター派プロテスタントが40日間を意味する四旬節、聖公会が節制を意味する大斎(たいさい)節と呼びます。「イエスが荒野で過ごした40日間の苦しみを分ち合うため」節食・断食を行い改悛する期間です1。この断食期間の前に、好きなものを好きなだけ飲み食いして楽しもう!という世俗のお祭りが、カーニバル(謝肉祭)。

イースター1週間前の日曜日(枝の主日)に始まるレントの最終週が、聖週間(ルター派プロテスタントでは聖週、聖公会では受難週)。「十字架に磔にされたイエス・キリストの受難と死を悼み、その喪に服し、悔恨するための1週間」です2。イエスの最後の晩餐を記念するのが、聖木曜日。ピラトの裁判後、イエスがゴルゴタの丘で十字架にかけられて亡くなったことを記念するのが聖金曜日。聖書によると、午後3時頃に息を引き取り、埋葬されます。聖土曜日にイエスは墓の中で安息し、日曜日に復活。

クラシック音楽ファンにとって、聖週間と言えば受難曲でしょう。ヨハン・ゼバスティアン・バッハの《ヨハネ受難曲》(1824年)、《マタイ受難曲》(1827年初演が定説)は、それぞれ新約聖書のヨハネによる福音書とマタイによる福音書の中の、イエスの受難と死に関する記述を元に構成されています。いずれも聖金曜日の晩課のために作られたものですから、4月3日の日没後に聴く曲ということになります。

ただし、これは2015年だけの話。イースターは年によって日付が変わるのです。「春分の次の満月後の最初の日曜日」というすごい(と思いませんか?!)決め方は、325年の第1回ニケア公会議以来。満月と曜日のタイミングにより、最も早ければ3月22日、遅ければ4月25日と1ヶ月以上も前後します。子どもたちがイースター・エッグ・ハンティングをする楽しい日なのに、クリスマス(やハロウィーン)のように日本に根付かないのは、移動祝祭日のわかりにくさも大きな原因でしょう(西欧でも同じことなのですが)。

というわけで、関東以南で春たけなわのこの時期に聖週間が重なったのは偶然。桜満開の時期に、1番特別な1週間が来るとは限りません。昨年のイースターは4月20日でしたし、来年2016年は3月27日です。

  1. 八木谷涼子『キリスト教歳時記』平凡社新書、2003、108ページ。
  2. 前掲書、119ページ。

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