11. 3月 2015 · (228) 《カルメン》音楽史クイズ はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags: , , , ,

オケ奏者やオケ・ファンって、オペラの中の曲を純粋な(?!)器楽曲のようにとらえて、弾いたり聴いたりする人が多いように感じられます。4月の聖フィル第12回定演で取り上げるカルメン組曲は、《カルメン》の中で歌われる、あるいは奏される曲を集めたもの。「カルメンのとりこになったホセが、闘牛士エスカミーリョに心変わりした彼女を殺す」という大筋しか知らない方、もったいないですよ! 有名なアリアがオペラのどのあたりでどのような状況で歌われるか、チェックしてみてくださいね。今回は《カルメン》の(西洋音楽史的な)おさらいです。

Q1:作曲者ビゼー(1838〜75)は何人?

    1. イタリア
    2. フランス
    3. スペイン

A:2。9歳でパリ音楽院入学し、1857年ローマ大賞((26) クラシック音楽ファンの常識参照)受賞。《カルメン》の舞台はスペインですが、ビゼーはスペインに行ったことはありませんでした

Q2:ビゼーと生まれた年が最も近い作曲家は?

    1. ヴァーグナー
    2. ブラームス
    3. ドヴォルジャーク

A:3。ヴァーグナーはずっと年上(1813年)。ブラームスは同じ1830年代生まれ(1833年)ですが、1841年生まれのドヴォルジャークが3歳違いで正解

Q3. そのドヴォルジャークが、《カルメン》(1873〜74年作曲)と近い時期に作ったのは?

    1. チェコ組曲
    2. 交響曲第8番
    3. チェロ協奏曲

A.:1。いずれも聖フィルで取り上げた(あるいは4月に取り上げる)曲。チェロ協奏曲はドヴォルジャークのアメリカ時代(1890年代)の作品、ドボ8は、やはりアメリカで作られた《新世界より》の1つ前の交響曲で、1880年代。1879年に作曲・初演されたチェコ組曲が正解

Q4:ビゼーが作曲したオペラは《カルメン》だけ?

A:No。彼が計画したオペラ30のうち、《真珠取り》《美しきパースの娘》など6つが上演可能な形で残っています1。《カルメン》と並んで組曲が有名な《アルルの女》は、オペラでなく劇の付随音楽

Q5:ビゼーの《カルメン》についての以下の文で正しいのは?

    1. 全3幕である
    2. せりふが含まれる
    3. 初演は成功だった

A:2。フランス人ビゼーが作った《カルメン》は、フランス語のオペラ。全3幕がお約束のイタリア・オペラと違い、4幕から成ります(3幕とする演出が多いのですが)。ビゼーは、オペラ・コミックと呼ばれるせりふが含まれた形で作曲。1875年3月3日に行われた初演は、聴衆にも批評家にも不道徳と批判されました。ちょうど3ヶ月後の6月3日、ビゼーは36歳で死去。

ところが、批判が逆に評判を呼び、初演の年だけで45回も再演(亡くなった日には、33回目の再演が行われたそうです)2。同年10月のウィーン公演のため、エルネスト・ギローがレチタティーヴォ((102) 話すように歌うレチタティーヴォ参照)を作曲。(外国人)歌手にとって、ステージでフランス語のせりふを話すよりも、フランス語の歌を歌う方が楽。全て歌われるこのグランド・オペラ版が、世界中の歌劇場における《カルメン》の普及・定着に大きく貢献することになりました3

  1. MacDonald, Hugo, ‘Bizet,’ New Grove Dictionary of Music, 2nd ed., vol. 3. Macmillan, 2001, p. 647.
  2. 同上。
  3. 東日本大震災から4年の2015年3月11日に、被災地の一日も早い復興を祈りつつ。

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