24. 12月 2014 · (217) クリスマスとは何か はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags:

クリスマスはキリストの誕生を祝う日で、12月25日。ごちそうやケーキを食べたり、プレゼントを交換する楽しい日ですね。クリスマスは英語で「キリストのミサ(Christ’s Mass)」の意味。中世イギリスの「Crīstesmæsse」が語源と考えられています。日本では、12月25日が終わるとすぐにお正月モードに切り替えですが、欧米のクリスマスは1月6日のエピファニーまで。エピファニー(カトリックでは主の公現、ルター派プロテスタントと聖公会では顕現日、中国語で主顕節)は、東方からベツレヘムを訪れた3人の博士に、幼子イエスが姿を現したことを祝う日。聖書には人数は書かれていないのですが、3つの贈り物(黄金・乳香・没薬)に対応させた3人が定説です。

日本では子どもにクリスマス・プレゼントをくれるのはサンタクロースで、もらうのはクリスマスの朝。でもイタリアでは、子どもがプレゼントをもらうのはエピファニーの朝、プレゼントをくれるのは魔女のベファーナです。レスピーギの交響詩《ローマの祭》第4部は、そのうれしい日の前夜のお祭り騒ぎを描いたもの。日本では《主顕祭》などと意訳されますが、原題は《ベファーナ La Befana》。

聖書には、イエスが生まれた日に関する記述はありません。羊の番をしながら野宿していた羊飼いに天使が降誕を告げたのですから、夜に外で過ごせるほど暖かい時期だったはず。それなのに、寒い12月25日になったのはなぜ? この日は冬至の日とされていて、275年、ローマ皇帝アウレリアヌスが「不滅の太陽の誕生日」と定めました。313年のキリスト教公認後、これがキリストの誕生を祝う祭に移行していったと考えられます1。フランス語でクリスマスを意味するノエル(Noël)、スペイン語のナビダ(Navidad)、イタリア語のナターレ(Natale)などはいずれも、誕生日を意味するラテン語 natalis が語源ですが、12月25日はイエス・キリストの誕生日ではありません。誕生を記念する日なのです。

現在、私たちが耳にするほとんどの音楽のルーツは、グレゴリオ聖歌。キリストが生まれなければキリスト教も生まれず、キリスト教が生まれなければグレゴリオ聖歌も生まれず、クラシック音楽も生まれなかった、はず。西洋音楽を聴いたり演奏したりする方は、信じるかどうかはさておき、クリスマスの時期だけでもキリスト教について考えてみてくださいね。みなさま、どうぞ楽しいクリスマスを!

  1. 八木谷涼子『キリスト教歳時記』平凡社新書、2003、40。金澤正剛『キリスト教と音楽』音楽之友社、2007、34。