26. 3月 2014 · (178) サン=サーンスってどんな人? はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags:

今回の演奏会で聖フィルが2曲取り上げる(交響曲第3番《オルガン付き》と交響詩《死の舞踏》)サン=サーンスについて、まとめてみました。

1、サン=サーンスは長生きした! 1835年生まれ、1921年没。生年で並べると(*はフランス人):

  • 1820年代:フランク*(1822) ブルックナー、スメタナ(1824) J・シュトラウス2世(1825)
  • 1830年代:ブラームス、ボロディン(1833) サン=サーンス*(1835) ビゼー*(1838) ムソルグスキー(1839)
  • 1840年代:チャイコフスキー(1840) シャブリエ*、ドヴォルジャーク(1841) グリーグ(1843) リムスキ−=コルサコフ(1844) フォーレ*(1845)

年が近いのはブラームスやボロディン(ちょっと意外)。ところで、上の作曲家の中で20世紀まで生きたのは、サン=サーンス以外にドヴォルジャーク(1904)、グリーグ(1907)、リムスキ−=コルサコフ(1908)、フォーレ(1924)だけ。1860年生まれのマーラーも1862年生まれのドビュッシーも、サン=サーンスよりも先に亡くなっています。19世紀に86歳まで生きるって、かなり稀なことだったようですね。

2、サン=サーンスは神童だった! 3歳でピアノを始め、10歳のときサル・プレイエルで公式デビュー。プログラムはベートーヴェンのハ短調のピアノ協奏曲(第3番)や、モーツァルトの変ロ長調の協奏曲(第15番)などで、モーツァルトのカデンツァは自作。すべて暗譜で演奏(当時はすごい離れ業とみなされました1)。ピアノだけではなく、古典や宗教、ラテン語やギリシア語も短期間で習得、天文学、考古学、哲学などの自然科学の知識も身につけています。1848年からパリ音楽院でオルガンを学び、51年には1等に。

3、サン=サーンスは多作だった! (177) で書いたように、交響曲は番号付きが3曲、番号なしが2曲、未完が3曲。リストに鼓舞されて書いた交響詩が4曲(リストは、マドレーヌ教会でのサン=サーンスのオルガン即興演奏を聴き、「最高のオルガニスト」と絶賛。《オルガン付き》はリストの思い出に捧げられています)。ピアノ協奏曲5曲、ヴァイオリン協奏曲3曲、チェロ協奏曲2曲。他に《序奏とロンド・カプリチオーソ》(ヴァイオリンとオケ)や《アレグロ・アパショナート》(ピアノとオケ)。ホルンやフルート、ハープとオーケストラのための作品も。

室内楽では、チェロの名曲《白鳥》が含まれる《動物の謝肉祭》、ピアノ三重奏曲2曲・四重奏曲・五重奏曲、弦楽四重奏曲2曲、トランペット2、ピアノ、弦4種各1のための七重奏曲、ヴァイオリン・ソナタ2曲、チェロ・ソナタ2曲、オーボエ・ソナタ、クラリネット・ソナタ、バスーン・ソナタ……。ピアニスト、オルガニストとして有名でしたから、ピアノ独奏曲(様々な作曲家の作品のトランスクリプションも)やオルガン曲も多数。吹奏楽用の作品も。

さらに、完成させたオペラが13作! 1幕もののオペラ・コミックや他の作曲家の遺作を完成させたものも含まれますが、それにしても13って多いですよ。やはり、何よりもオペラ作曲家として認められたかったのでしょうね(1880年代に彼のオペラが相次いで上演され、この願いは叶いました。現在では《サムソンとダリラ(デリラ)》以外はほとんど忘れられましたが)。バレエ、演劇、映画のための音楽や宗教曲(オラトリオ3曲、ミサ曲など)、世俗合唱曲(カンタータも)、歌曲がざっと100曲。音楽批評、詩や哲学のエッセーなど、著作もずらり。

サン=サーンスはあらゆるジャンルの作品を残したという、4番目のまとめが必要ですね。

  1. Ratner, Sabina Teller, “Saint-Saëns, Camille” New Grove Dictionary of Music, 2nd ed., vol. 22. Macmillan, 2001, p. 124.