01. 1月 2014 · (166) おめでたい(!?)音楽 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags: , ,

新年あけましておめでとうございます。2014年がみなさまにとってよい年でありますように。4年目に入った聖フィル♥コラム。4月に第10回演奏会を迎える聖フィルともども、どうぞよろしくお願いいたします。

毎年書いているように、新年用のクラシック音楽ってあまりありません。クリスマス用の音楽とは大違いです。クラシック音楽の土壌であるキリスト教の暦では、アドヴェント第1日曜日が新しい年の始まり((56) アドヴェントと音楽参照)。1月1日は、イエス・キリスト生誕8日目「割礼の祝日」でした((62) 新年と音程参照)。それで今回は、新年とは直接関係が無くても何かおめでたい音楽をご紹介したいと考えました。思いついたのが、ショスタコーヴィチの《祝典序曲》。

華やかなファンファーレの序奏の後、クラリネットによる動きのある第1主題(0:47)。ホルンとチェロの幅広い第2主題(2:00)が属調で続きます。第1主題の再現はコンパクト(3:15)。第2主題の再現の1回目には、第1主題のような性格をもつ対旋律が加わります(3:33)。冒頭のファンファーレが戻った後(4:46)、コーダは第2主題の変形で一気に駆け抜けます(この演奏は、コーダ以外もかなり速いですが)。3管編成、チューバ以外の金管を倍管にするオプションも。

スターリン体制下で、社会主義レアリスムの音楽を作ることを求められたショスタコーヴィチ(1906〜75)。1936年のプラウダ批判には、伝統的な形式や内容を持つ交響曲第5番、1948年のジダーノフ批判には、スターリンの植林事業を「よいしょ」するオラトリオ《森の歌》などを書いて名誉を回復したことは、よく知られています。《祝典序曲》op.96 は、10月革命30周年のために作曲されました。初演は7年後の1954年11月6日、同革命37周年記念演奏会。わかりやすい音楽を求められ続けて、ここまで突き抜けてしまったかという感じ?! 厳かで改まった日本のお正月にはそぐわないかもしれませんが、晴れ晴れとしていて、何か良いことが起こりそうな気持ちがしてきます。

オリジナルはイ長調ですが、私にとって《祝典序曲》といえば変ロ長調。高校の部活で吹奏楽用アレンジを演奏したことを、なつかしく思い出します。ファンファーレの1番最初は、自作のピアノ曲の転用。娘ガリーナのために作曲した《子どもたちのノート》op.69 の最終第7曲《誕生日》の冒頭部(と最後の部分)です(4:56〜)1。誕生日も革命記念日も、1年に1度のお祝いですものね。

  1. Dmitri Shostakovich, 2nd ed., Sikoroski 2011 (http://media.sikorski.de/media/files/1/12/190/249/336/7496/schostakowitsch_werkverzeichnis.pdf), p. 129. 《誕生日》のみ、1945年5月30日完成。上掲書、p.121。動画のタイトルは「子どもの練習帳」ですが、上掲書のタイトルに寄ります。