29. 2月 2012 · (70) ハープは重い? はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags:

第6回定演の《レ・プレリュード》と《スコットランド幻想曲》で、聖フィルに初めてハープの賛助さんをお迎えするのを記念して、今回はハープに関するイエス /ノー・クイズから。

  1. ハープは低音域を手前(体側)にして楽器を構える。イエスかノーか。
  2. 右手が自由になるように、顔の左側に楽器を構える。イエスかノーか。
  3. ピアノのように、左右10本の指で演奏する。イエスかノーか。
  4. ピアノの鍵盤数と同じ88本の弦がある。イエスかノーか。
  5. ピアノの鍵盤と同じように、白い弦と黒い弦に分かれている。イエスかノーか。
  6. ピアノとほぼ同じ音域を持つ。イエスかノーか。

ハープ奏者が在籍するアマ・オケは、ほとんどありませんよね。オケの経験が長くても、ハープについてはよく知らない方が多いと思います。クイズの正解は……6番以外、全部ノー!

ハープを演奏するときは、長い弦(=低音域)が張られている支柱側ではなく、短い弦が張られている響板(共鳴胴)を、右肩にのせます。遠くの長い弦は、左手しか届きません(低音域を左手、高音域を右手で弾くのは、ピアノと同じですね)。演奏に使うのは、両手の小指以外の8本の指。音階は、左手の薬指から親指まで順にドレミファ、右手の薬指から親指まで順にソラシドと弾きます。オーケストラで使われるグランド・ハープの弦は、47本(1番低い弦の無い46弦も)。ドの弦は赤、ファは青か黒で、これが弾くときの目印。音域はドからソまで6オクターヴ半で、ピアノとほとんど変わりません。ピアノの白鍵盤で考えると、左端ラシと、右端ラシドが足りないだけです。

ここで疑問を感じてくださいね。47本の弦で、88鍵のピアノとほぼ同じ音域をカバーするのはなぜ? 簡単に言うと、ハープはピアノの白鍵盤に相当する弦だけを持つからです(実際はもう少し複雑ですが、後で説明します)。黒鍵盤の音は、ペダルを踏んで出します。

ハープにはペダルが7本(!!)あって、ドレミファソラシを1本ずつ担当しています。たとえば、ファのペダルを踏み込むと、全てのファの弦がファ♯になります。ト長調の曲は、この状態で弾けます。

でも、転調したり臨時記号が付いているときは、途中でペダルを変えなければなりません。一見優雅そうですが、実は手だけではなく足も、(見えないところで)大忙しの楽器なのです。足は2本しかありませんから、一度に3つ以上のペダルを動かせませんし、動かす速さにも限界があります。オーケストラでしばしばハープが2台使われるのは、半音階進行が多い曲の、複雑なペダル操作を分担するためです。

……というような知識は持っていたのですが、実際にハープ(の重さ)を体験してみたくて、突撃取材(!)に行ってまいりました1。フル・コンサート・サイズのグランド・ハープは、背丈よりも高くて堂々としています。台座にペダルがいくつか見えますね(図1。クリックで拡大します)。ペダルを前に(つまり図1では右奥に)椅子に座り、楽器を傾けて右肩にのせます。さて、ハープはいったいどれくらい重いのでしょうか((71) 続・ハープは重い?に続く)。

図①:グランド・ハープ

図1:グランド・ハープ

  1. 突然のコンタクトであったにもかかわらず、グランド・ハープの重さを体感したい、写真も撮らせて欲しいという私の願いを叶えてくださった、西村光世先生と西村光世音楽事務所に、心よりお礼申し上げます。