オーケストラで使われる弦楽器は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの4種類1。この中の仲間はずれはどれでしょう?

答えは……コントラバス!

形を見ると一目瞭然ですね。コントラバスだけがなで肩です。弓の持ち方も逆。ヴァイオリンなどは弓を上から持ちますが、コントラバスでは逆に、手のひらを上に向けて持つ奏者が多いはずです(ヴァイオリンのように持つ方法もありますが)。もう一つの大きな違いは調弦の仕方。ヴァイオリンの弦は低い方から「そ れ ら み」、ヴィオラとチェロは「ど そ れ ら」と5度間隔に合わせますが、コントラバスは「み ら れ そ」。4度間隔です。

図1 ヴィオラ・ダ・ガンバ(ヴィオール)

なで肩や筆記具と同じような弓の持ち方、4度調弦は、弦楽器のご先祖様のひとつであるヴィオラ・ダ・ガンバ属の特徴です。ヴィオラ・ダ・ガンバはイタリア語で「脚のヴィオラ」、つまり現在のチェロのように脚で支える擦弦楽器で、ヴィオールとも呼ばれます(図1参照)。リコーダーのように、アルトやテナーなどいろいろなサイズがありますが、4度(一部3度)間隔で調弦する6弦が基本で、細いガット弦を結びつけたフレットが7つ。16世紀からバロック時代にかけて、特に上流階級の楽器として愛好されました。でも、弦楽器のもうひとつのご先祖様であるヴィオラ・ダ・ブラッチオ属(「腕のヴィオラ」つまりヴァイオリン属)に比べて音色が渋く音量が小さかったために、音楽文化の担い手が王侯貴族から都市市民に代わり、彼らのために広い会場で演奏会が開かれるようになると、廃れてしまいました。

コントラバスの外見は、ヴィオラ・ダ・ガンバ属の最低音域を受け持っていたヴィオローネと、ほとんどそっくり(このサイズだけは、脚で支えません)。ヴィオローネは、ガンバ属の中でヴァイオリン属と併用された最後の楽器です。この直接のご先祖様の特徴をいくつかしっかり保ちつつ、C字響孔を f 字形に変える、4弦にしてフレットを無くすなど、ヴァイオリン属の特徴を取り入れて改良されました。弦楽器ファミリーの頼れるお父さん役 (?) をこなしてくれています。

ちなみに、コントラバスが仲間はずれだから弦楽四重奏に入れてもらえない……というわけではありませんので、念のため。

  1. もちろん、ハープも弦楽器です。