05. 5月 2011 · (27) 音楽史の時代区分 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags:

「アマ・オケ奏者のための音楽史」第1回は、音楽史概観です。西洋音楽史は、調性(長調短調に基づく)音楽の時代と、調性が成立する前の時代、調性が崩壊した後の時代の3つに大別できます。ただ、これでは大雑把すぎるので、世界史や他の文化史も参考に、たとえば以下のように区切ります(かっこ内は目安。ちなみに調性音楽の時代は4〜6です)。

  1. 古代ギリシア・ローマ
  2. 中世(5世紀〜14世紀)
  3. ルネサンス(15、16世紀)
  4. バロック(16世紀末〜1750)
  5. 古典派(18世紀半ば〜19世紀初め)
  6. ロマン派(19世紀)
  7. 20世紀(現在まで)

オーケストラの演奏会は、古典派とロマン派をレパートリーにしていますね。古典派はウィーン古典派の3巨頭、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの時代。聖フィル第3回定演で取り上げたグルックも、ここに含まれます1

ロマン派は、フル・オケ作品を作った、上記以外の作曲家ほぼ全員を含むと考えても良いでしょう。聖フィルは今まで古典派を中心に演奏していて、ロマン派作曲家はメンデルスゾーン、ブラームス、ブルッフしか取り上げていないのですが、次回第5回定演はシベリウス、シューベルト、ドヴォルジャークと、オール・ロマン派プログラムです。実は、シューベルトはベートーヴェンより1年しか長生きしていませんが、音楽の内容からロマン派に入れるのが普通です。

私が学生の頃は、ロマン派音楽の次を現代音楽と呼んでいましたが、最近はこの言葉をあまり見かけなくなりました。21世紀に入った現在、どこから「現代」と定義するか難しいのでしょう(たとえば、1913年の《春の祭典》は現代音楽か、1928年の《ボレロ》は現代音楽か……?)。1901年以降の作品を20世紀音楽と呼ぶのはいささか安易かもしれませんが、この時代の音楽は多種多様で、もはや共通する特徴は存在しません。便宜的なくくりです2

バロック時代を代表する作曲家はヴィヴァルディ、バッハ、ヘンデルなどですね。ルネサンス時代を代表するのは、私がペンネームに名前をお借りしているパレストリーナ((7) クリスマスに聴きたい音楽 part 2や、金管楽器奏者の方々にはおなじみのジョヴァンニ・ガブリエーリ。中世の音楽と言われたら、グレゴリオ聖歌を思い浮かべてください。古代ギリシア時代の楽譜の断片は現存しますが、後世に大きな影響を与えたのは、むしろこの時代の音楽理論でした3

  1. ベートーヴェンの晩年の作品には、ロマン派的な要素も含まれます。もちろん各時代はオーバーラップしています。
  2. 同様に、ドヴォルジャークやムソルグスキーなどの国民楽派や、ドビュッシーの印象主義もあるから、ロマン派ではなく19世紀音楽と呼ぶべきだという意見もあります。
  3. パニアグワがアトリウム・ムジケーを指揮して1979年に録音した『古代ギリシアの音楽』(harmonia mundi、仏)は、彼が独自に「再創造」した響きであって、CDとしては非常に興味深い(と言うか、くせになります!)ものの、どれだけ古代ギリシアの響きに近いのかは、誰にも判りません。