13. 12月 2010 · (6) クリスマスに聴きたい音楽 part 1 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags: ,

今回は、クリスマスにちなんだ音楽から2曲、ご紹介しましょう。

まず、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685〜1759)のオラトリオ《メサイア》です。ローカルな作曲家だった同い年のバッハとは異なり、ヘンデルは音楽の先進地イタリアで学び、国際的に活躍しました。イギリスではオペラで名を上げた後、聴衆がイタリア語のオペラに飽きて来たと見ると、英語のオラトリオに転向します。

オラトリオはオペラと同様、独唱や重唱、合唱とオーケストラによる、ストーリーを持った大規模な声楽曲です。オペラとの違いは、宗教的・道徳的な題材に限られることと、演技や衣装、舞台背景無し(今で言う「演奏会形式」)で演奏されること。イギリスのようなキリスト教の国では、受難の季節(灰の水曜日から復活祭までの一ヶ月半もの期間)はオペラ公演が禁じられました1。内容や形式が地味なオラトリオは、この時期にオペラの代わりに上演されたのです。

しかし《メサイア》は、クリスマス・シーズンの音楽としても親しまれています。救世主イエス・キリストの誕生・死・復活を題材にしていますが、合唱曲『我らに1人のみどりごが生まれた For unto us a Child is born』など、キリスト誕生の喜びを歌う第一部が、特に印象深いからでしょう2

私が留学していたボストンでも、12月になると、いろいろな団体が競うように《メサイア》演奏会を開いていました(《第九》演奏会の話は聞いたことがありません)。赤や緑のクリスマス・カラーでおしゃれしたお年寄りたちや、華やいだ雰囲気を、懐かしく思い出します。ただ私にとっては、学期末レポートの締切時期。毎年、かろうじて全部の課題をクリアし、開放感にひたりつつ息も絶え絶えで《メサイア》へ。暖かいホールで心地よい音楽を聴きながら、うとうと→→ぐっすりというパターンが繰り返されました。今年の《メサイア》でも、きっとまた「ボストンでは寝まくっていた」と言われるだろうなあ。もう爆睡なんかしないのに。

ちなみに、バッハ・コレギウム・ジャパンの《メサイア》は、当時ボストンで聴いたどの団体よりも素晴らしい! お薦めです。

長くなってしまったので、もう1曲は改めて。

  1. 2011/12/12追記:(56) アドヴェントの音楽もご覧ください。
  2. 日本の「年末メサイア」の習慣については、吉田純子『芸大メサイア』60年:日本流の『儀式』定着、朝日新聞、2010年12月7日。

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