01. 12月 2010 · (4) ブラームスの同時代人 ブルッフ はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags: ,

関係者の方々のご尽力のおかげで、聖光学院管弦楽団は第4回定期演奏会のソリストとして、川畠成道先生をお迎えする運びとなりました。夢のようなお話で、団員一同とても喜んでおります。曲目はブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26。

というわけで、今回はブルッフについて、前回の定期演奏会で交響曲第1番を取り上げたブラームスと関連づけながら、ご紹介しましょう1

マックス・ブルッフは1838年、ケルンに生まれました。1833年生まれのブラームスより5歳年下ですが、肝臓がんで20世紀を生きることなく没したブラームスとは異なり、ブルッフは1920年まで長生きしました。9歳で作曲を始め、1858年に最初のオペラがケルンで初演されて名を上げました。交響曲も3曲作っていますが、生前は特に合唱作品で知られていました。

でも今日ブルッフと言えば、ロマン派のヴァイオリン・レパートリーとして欠かせない、ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調でしょう。19世紀後半のドイツ最高のヴァイオリニストと言われた、ヨーゼフ・ヨアヒムに献呈されました。ブラームスも、彼のヴァイオリン協奏曲を作曲するときに助言してくれたヨアヒムに作品を献呈しています。

もしかしたら聖フィルのレパートリーの中で最も新しい曲?と思ったのですが、1868年初演のブルッフよりも、完成まで約20年かかったブラ1の初演の方が、後でした(1876年)。

当時のドイツ音楽界は、リストとヴァーグナーに代表される革新的な音楽を目指す「新ドイツ楽派」と、ブラームス(と言うよりむしろ音楽評論家ハンスリック)に代表される伝統的な音楽を重視するグループとに、二分されていました。深く豊かな和音の響きと、息の長いロマンティックな旋律を得意としたブルッフはもちろん、後者に属する作曲家です。「新ドイツ楽派」を嫌い、メンデルスゾーンとシューマンを敬愛していたというブルッフの特徴が、ヴァイオリン協奏曲第1番にもよく現れていますね。

  1. Christopher Fifield, “Bruch, Max,” in The New Grove Dictionary of Music and Musicians, 2nd ed. vol. 4, 2001.

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