29. 11月 2010 · (3) 《運命》全体もふりかけごはん? はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags: ,

徹底的にふりかけを混ぜ込んだ第1楽章に続き、ベートーヴェンは第2楽章以降も『運命動機』ふりかけを使い続けます。

第3楽章スケルツォの主題としてホルンが高らかに歌い上げるタタタターン!も、短い音3つ+長い音1つの『運命動機』。ベートーヴェンは少し形を変え、『元祖運命動機』の1番最初にあった、聞こえないけれど演奏者にとってはやっかいな短い休符(ンタタタターンの「ン」)を省き、さらに4つとも同じ高さの音にしています1

第4楽章第2主題の3連符+4分音符パターン(譜例)も、短い音3つ+長い音1つですが、4つの音の高さがすべて違います。

運命動機最終版

運命動機最終版

この、『運命動機』最終版に至るまでのプロセスをまとめると:

  • 第1楽章では『元祖運命動機』、つまりンタタタターンのリズムが保たれ、オープニングの「そそそみー」のように、最後の音がその前のタタタより低い音のパターンで使われる。
  • 第3楽章では最初の休符が無くなり、4音すべてが同じ高さで使われる。
  • 第4楽章では、休符が無くなったまま、4音すべてが異なる音の高さで使われる……。

ベートーヴェンは、たったひとつの動機を交響曲全体に使うことで4つの楽章に統一感を与える一方、3つの短い音+1つの長い音というリズム・パターンを保ったまま、少しずつ動機の形を変えていくことで、音楽を展開・発展させる原動力にしているのです。2楽章以降は、ふりかけの量や味を変化させ、他のおかずも一緒に出してくれる感じでしょうか。

さて、ここで問題です。第2楽章では、どこにどのような形で『運命動機』が使われているでしょうか。「少しずつ形を変えながら用いる」プロセスにうまく収まる例を、見つけてください。

  1. 第1楽章にも、全部が同じ音高の『運命動機』がありますが、主流はあくまで「そそそみー」のような下方へ向かうパターンです。