09. 11月 2010 · (1) 《運命》と呼ぶのは日本だけ !? はコメントを受け付けていません。 · Categories: 聖フィル♥コラム · Tags:

次回第4回の聖フィル定期演奏会のメイン・プログラムは、ベートーヴェン作曲交響曲第5番ハ短調作品67。ジャ・ジャ・ジャ・ジャーン!の《運命》です。

でも、この曲を『運命』と当たり前に呼ぶのは日本だけのようですよ。お手持ちのCDジャケットをご覧になってみてください。輸入版はもちろん国内版でも、アルファベット表記は

  • Symphony No. 5 in C minor, op. 67  あるいは
  • Symphonie Nr. 5 c-moll op. 67

だけのはずです。たとえ、日本語表記に『運命』が含まれていても。

これに対して3番や6番には必ず、”Eroica” や “Pastorale”が続きます。これらはいずれも、ベートーヴェン本人がつけた副題ですから、CDでも研究書でも、タイトルの一部として表記されます。

ちなみに、第9番《合唱(付き)》はどうでしょうか。研究書の表記は作品番号までで終わりです。それではCDジャケットは?

多くの場合、『合唱』の副題は日本語表記だけですが、英語の副題付きもあります。筆者が持っている5種類の『第九』CDうち、ブリュッヘン&18世紀オーケストラ盤(PHILIPS 国内盤、1996年発売)には、表裏両面に “Choral” と書かれていました。

日本向けに特別?と思ったら、ブリュッヘンの《第九》は、国外盤にも “Choral” がついています。このニックネームがアメリカでどれくらい使われているのかと、Amazon.comで ”Beethoven Symphony 9” を検索してみました。1862件ヒット(!!)した中の上位100件のうち、”Choral”のタイトル付きはフルトヴェングラーの1951年録音(EMI 1999)、カラヤン&BPOの2回目の録音(Grammophon 1990)、トスカニーニの1952年録音(RCA 1991)など、15種類ほどでした。この数が多いのか少ないのか、微妙なところです。ブリュッヘン盤も含めた共通点は……1990年以降に発売されたことくらいでしょうか。

まあ、そこで出版されたというだけで、一時期『イギリス』と呼ばれていた交響曲があったくらいですからね……。少なくとも日本では、ニックネームを付けたほうが、売れ行きがよいのは確かでしょうね。

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